大会長挨拶

一般社団法人 日本老年歯科医学会
第36回学術大会

大会長  片倉 朗
東京歯科大学 口腔病態外科学講座 教授

 2025年6月27日(金)・28日(土)・29日(日)の3日間、幕張メッセおよびTKP東京ベイ幕張ホール(千葉市美浜区)で「日本老年歯科医学会第36回学術大会」を開催します。本学術大会は2年に1度の「日本老年学会総会」を構成する7つの関連学会と共催で行われる学術大会です。「口腔機能の維持・向上で老年学に貢献する」をテーマとして、2040年に国民の約4人に一人が75歳以上となることが予想される医療や介護の中で、老年7学会を構成する多職種、そして国民とともに口腔機能の管理の重要性をどのようして共有するかを学会テーマにしたプログラムを構成します。
 7学会の合同シンポジウムで本学会は、「食べるを再考する」というテーマのシンポジウムを担当します。「食べる」を単なる食行動だけでなく、基礎医学、歯科医学、社会学、そして食を扱う企業の立場でこれまでとは異なったカッティングエッジで講演をいただき、参加者の方に「食べる」ことの意義を考えて頂くことが狙いです。
 7つの学会が会場をシェアして使用するため、老年歯科医学会の口演は3会場で展開します。いつもより会場数は少ないですが、各委員会から提案があった企画を内容ごとに整理して、1つのシンポジウムに多くのことを凝縮しています。1つのシンポジウムの聴講できっと多くのことが学べると思います。また、老年歯科の現場経験が少ない歯科医師・歯科衛生士の方が、良質で安全な老年歯科医療の提供をするために必要な知識を確認できる講義形式の講演も企画しました。
 認知症やフレイルなどの高齢者の社会的な問題への取り組みは、医・歯・薬・看護学、生物学、社会科学などが包括的に連動しなければ社会実装に至りません。その点からも合同学会に参加いただき、様々な学会の発表を見聞することは老年歯科医学会の会員の皆様の活動の拡大や新たなシーズの発見になる機会になるでしょう。
 会場は学会ごとにテーマカラーが決められています。老年歯科医学会のテーマカラーはグリーです。他の関連学会のプログラムにも是非とも参加いただき、合同大会で多くのことを学び、考えてきたいと思います。

2024年11月吉日